「日常の一滴」シリーズでは、家族との距離感、自分時間の守り方、そして老いとの向き合い方など、暮らしの中でふとこぼれる心の声を綴っています。
誰かの共感につながったらいいなー。
「そろそろ帰ろうかな」と思いつつ、予定や家事や交通費のことをぐるぐる考えてるうちに、季節がひとつ進んでしまった。
そんなある日、JRの広告に目がとまった。「大人の休日倶楽部」が今の自分にぴったりだと思い即入会。「思い立ったが吉日」と荷物をまとめて、久しぶりの帰省へ。
母の生活
弟との同居を拒んだ母は、近所の方々と付かず離れずのバランスで、80歳を過ぎても1人暮らしを続けています。「気兼ねのない自由」と「寂しさと不安」が入り混じった生活は、将来の自分と重ねてしまいます。
4時半起きの庭の雑草取りに始まり、ラインで友だちへの朝の挨拶をして、軽い掃除に昼寝に「遠出もない」「外食もない」母の日常を一緒に過ごす。何もしない娘は、子供の頃の自分を思い出し至福の時間を、のんびりとゆったりと。
最終日、おしゃべりな母の口数は減り、帰り支度は夜中にこっそりとします。寂しさを大きくしちゃう帰省は、「親孝行」なのか「親不孝」なのか分からなくなります。
母に見送られて実家を出ました。
見えなくなる前に、もう1度振り返り母の姿を・・・しかし・・・もう近所のおばちゃんとしゃべってました。
お付き合いいただきありがとうございました。また次の「一滴」が生まれたら、ぜひ見せてね!