うちの息子は、いまだ実家暮らし。
「そろそろ自立してほしいよね〜」なんて言ってるけど、
本音を言えば、あれはただの“親として言っておくべきセリフ”。
実際は、息子が出ていったら私のメンタルが先に自立できる気がしない。
夫と二人きりの居間は、まあ静か。
いや、正確に言うと“音はあるのに静か”。
テレビはつけっぱなし、誰も見てない。
夫はスマホ、私はスマホ。
たまに話しかけられてもイヤホンのせいで「え?」と聞く気もない。
今度は話かけても夫は寝てしまっている。
私は「これ、夫婦の危機では?」と思うけど、
危機感が湧かないあたりが、逆に危機なのかもしれない。
ところが、息子が帰ってくると一気に空気が変わる。
玄関のドアが開く音だけで、
私のテンションが犬並みに上がるのだから、もう末期だ。
息子との会話はテンポが合う。
話題も合う。
ツボも合う。
こちらが言いたいことを察してくれるし、
夫まで楽しそうに混ざってくる。
さっきまでの“静かな別居状態(同居中)”はどこへやら。
三人で笑ってほっこりする。
そして同時に、
「息子がいなくなったら、また夫婦二人の無音タイムか…」と
未来の自分にそっと同情する。
息子には自立してほしい。
でも、息子がいなくなったら、
この家の空気はどうなるのか。
夫婦二人の沈黙に、私は耐えられるのか。
いや、夫は耐えるどころか気づきもしない気がする。
そんなことを考えながら、
今日も私は息子の帰宅音を待っている。
「自立してほしい」と言いながら、
玄関のドアが開くと嬉しい。
この矛盾こそ、親の業なのだろう。
今日も読んでくださり、ありがとうございました。
発酵食品が好きなので、ちょっと気になりました。
