的外れだけど憎めない誕生日プレゼント

60代シニアの日常

自身の誕生日が近づいたある日のこと。

毎年、どこか的外れな誕生日プレゼントをくれる旦那に、私はあらかじめ釘をさした。

「今年は何もいらないからね」

たぶん、「夫の優しさを無下にしている」と思う人もいるだろう。でも、“ありがた迷惑”を受け取る側にも、それなりの苦労があるのです。

そして迎えた誕生日当日。

旦那宛てに宅配便が届いた。

帰宅した旦那は、嬉しそうに荷物を開封する。中から出てきたのは、大袋に入った高カカオチョコレートだった。

最近の旦那は、中途半端な健康志向生活を送っている。高カカオチョコレートも、その流れで自分用に買ったのだろう。

そう思っていた。

ところが旦那は満面の笑みで言った。

「誕生日おめでとう! 食べたかったでしょう!」

「プレゼントが全くないのもねーと思って」

まさかの私への誕生日プレゼントだった。

「いらないって言ったのに……」

ハッキリ言ってやろうと思ったけど、ため息しか出てこなかった。

それにしても、なぜ高カカオチョコレートなのだろう。

過去の自分の発言や行動を振り返ってみたけれど、思い当たる節がない。

そもそもスーパーで買えるチョコレートだし、一度にもらうには量が多すぎる。しかも私は、高カカオよりミルクたっぷりのチョコレートの方が好きだ。

何もかもが少しずつズレている。

それからしばらくして、旦那とスーパーでお菓子売り場を歩いていた。

「お菓子も高くなったよね」

「チョコなんて、びっくりする値段だよ」

そう口にした瞬間、記憶がよみがえった。

数か月前にも同じような会話をしたことがあったのだ。

そのとき旦那は、「食べたいなら買えば?」と言ってくれた。

でも私は、「高いからいいや」と買わなかった。

どうやら旦那は、その出来事を覚えていたらしい。

私が欲しかったのは、高カカオチョコレートではない。

棚上にあった「高級チョコレート」だった。

けれど旦那の中では、

「欲しかったのに我慢していた」

「誕生日にプレゼントしよう」

という流れになったのだろう。

着眼点は優しい。

ただ、やっぱり少しだけズレている。

そんなところも含めて、うちの旦那らしいなと思う。


tomo

こんにちは、アラカン主婦のtomoです
還暦を迎えて年金生活へと突き進んでいます。
趣味の編み物と0から始めたパソコンで毎日が加速傾向です。
「なぜか時間がない」という理由(自己中)で手抜き料理の毎日です。

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